今年の人間将棋では演出面で新たに取り入れられたものがいくつかありますが、会場のセットもその1つです。将棋駒が動くたびに打ち鳴らされる王将太鼓は、これまで、将棋盤のとなりに特設されたステージの上で叩かれていました。しかし、今年はその部分に駒武者が入退場するゲートを設けたため、王将太鼓はその上に組まれた櫓（やぐら）の上からの演奏となりました。

　また、平成13年度からは駒武者が将棋駒をもたないようになりました。観客からすれば「駒の動きがよく分からない」という意見もあるかもしれませんが、大盤解説をみれば駒の動きは分かりますし『美しさ』という点からすれば将棋駒を持たないほうが断然まさっていると思います。

（参考） 将棋駒があった頃の人間将棋（平成12年度人間将棋の会場レポート）

　人間将棋の対局がおこなわれているあいだ、将棋盤の脇では戦局の解説がおこなわれます。1日目には2日目に対局なさる男性棋士の方、2日目には上段者の方が解説者としていらっしゃるのですが、平成13年には藤井猛（ふじい・たけし）竜王が解説をおこない、1日目に対局をおこなった高橋和（たかはし・やまと）女流二段と本田小百合（ほんだ・さゆり）女流初段が聞き手となりました。