経営不振のパイオニアは7日、香港の投資ファンド「ベアリング・プライベート・エクイティ・アジア」から総額約1020億円の支援を受けるスポンサー契約に正式合意したと発表した。早ければ来年3月中にベアリングの完全子会社となる見通しだ。
グループで約2万人いる従業員の約15%相当の約3千人を削減するほか、生産拠点も再編する方針で、ファンド傘下で再建を目指す。パイイオニアは来年1月25日に臨時株主総会を開き、ベアリング支援の是非を諮る。
ベアリングはパイオニアの第三者割当増資を引き受けるなどして約770億円を出資。その後、他のパイオニア株主からの買い取りで全株式を取得する。買い取り額は1株当たり66.1円と7日終値(88円)を下回る。パイオニア株の東京証券取引所第1部の上場は廃止される見込みだ。
森谷浩一社長と社外取締役を除く5人の取締役は辞任し、ベアリングなどから招く。東京都内で記者会見した森谷社長は経営責任を「痛感している」とした上で「利益を出せるようにするのが私の使命だ」と述べた。
パイオニアは主力のカーナビが苦戦し、連結純損益は2018年3月期まで2年連続で赤字だった。ベアリングから支援を受けると今年9月に発表し、当初は上場を維持すると説明していた。
会見に同席したベアリングのジォーン・エリック・サラタ最高経営責任者(CEO)は「経営支援で近い将来に再び成功した会社になると信じている」と強調した。
前の日へ... | 今月の見出しへ... | 次の日へ... |