2013年7月の記録的豪雨に伴い、村山広域水道の受水市町で長期断水したことを踏まえ、県企業局が給水元の西川浄水場(西川町)で進めていた機能増強のための装置の実証実験が終了した。同局は各種対策と合わせることで同規模の豪雨でも断水を回避できる見通しが立ったとしており、近く装置整備偉業に着手し、今夏の完成を目指す。
県企業局によると、13年7月の豪雨では寒河江川が極端に濁ったため、取水できなくなり、県から受水12市町への給水が約44時間停止。通常時は10度の濁度が最大約3千度に達し、千度超が約6時間、500度超が約20時間続いた。このため、対策後の目標能力は「500度程度の濁度でも通常の給水量(1時間当たり3500立方メートル)を確保すること」と定めた。
水と汚れを分離する現在の沈殿池で通常の給水を行うには、池から隣のろ過設備に水を送る際、池の出口部分に沈殿物が集まる問題もあった。
新たに導入するのは、水質が比較的きれいな沈殿池の中央部分から優先的に取水する「中間取り出し装置」。ろ過設備への送水時に濁度を抑えることができる。
約400万円をかけ、昨年8月に簡易装置を開発。同10月までに計8回の実験を行ったところ、濁度を約40%下げる効果も確認できた。同局は、汚泥乾燥施設の増設、受水市町の受水量調整といったほかの対策と組み合わせることを想定しており「同規模の豪雨が発生しても、断水などを回避できる」と説明する。
中間取り出し装置の整備事業費は実験費用を含めて1億3千万を見込む。夏ごろまでの完成に向け、1月中に装置設計の入札を行い、15年度当初に工事を発注する予定でいる。
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